2012年5月20日日曜日

縄文土器を見た感想


先日、さいたま市大宮区にある市立博物館(程好くうらぶれている)にて縄文土器の展示を見て来ました。
縄文土器は早期・前期・中期・後期・晩期―と云う具合にて年代ごとに分けられているとの事。それを順に見ていくと、あたかも一人の芸術家が一生の内に見せる作風の変化を目にする様でした(実際にはそこに、1万年以上の時間経過がある訳ですが)。

早期→土器としての体を形作るだけで“もう充分に用を成しています”と云った印象(大
   発明だったのだと思う)。
前期→土器の形や模様に凝り始める(このあたりから、先に挙げた芸術家の例を引き合い
   に出せそうです)。云うなれば自らのスタイルを確立しつつある時期。
中期→形や模様に凝っていたのがエスカレートしていき、仕舞いに爆発している時期。芸
   術作品としてはこの頃のものが最も分かり易く、一般に「初心者向け」とか「入門
   編」とか呼ばれそうなものが多いと思われる。ベートーヴェンで云うところの「名
   作の森」か。
後期→中期のダイナミズムを内包し乍、装飾的な部分を削ぎ落とし洗練されている。作品
   群の勢いは中期の方が盛んだが、最高傑作と呼ばれるものが恐らくこの時期に作ら
   れる。
晩期→この頃の作品は芸術家の発展ラインから逸れ、実用的な「食器」と成ってきてい
   る。急須の形も既に存在。

-と云った様子。
細部を見やると混沌と渦巻く一方で、全体を眺めればそこに秩序を見出せる―と云うデザインが縄文土器を作る上での基本となっていて、それは同時にあの非常な呪術性の、一つの所以と云えます。
大収穫の上に入場無料、当日大満足で会場を後にしました。(中野)

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