企画に関わる作業も一段落したところで、久しぶりに気の向くまま文章をタイプしてゆこうかと思います。
昨年の春、シルク・ド・ソレイユの「KOOZA」が来日した折の事、幕間にクラウンが出て来て観客を巻き込んでの芸をしておりました。つまりは客席より1人を選び舞台に上げ、お客さんまでをも笑い者にしてしまおうという 、見ている方も一寸ドキドキする芸です。
但し矢張り選び方には基準がある様子で、見ていると結構身なりの良い人が舞台に連れて行かれていました。
それなりの社会的地位と、そこに付随する権威的なものを笑い(それも、なるべくミもフタもない)により払うという行為なんですね。つまるところシェイクスピアシリーズにしばしば登場する「道化」の役割そのままと云う事です(彼らは王様を笑い者にしますが)。
恐らく権威的なものというのは、本人が自覚している以上に身にまとい易いもので、一時的にせよそれが通用しない舞台にポン、と裸一貫(と云うのはあくまで例えですが)で上げられた折に、別視点より知らずに自らがまとっていた社会的地位やら権威やらを目にする事ができるのでしょう。そして、お馬鹿をやらせると右に出る者が居ない―と云うクラウン達の手によりそれらは払われ、仕舞いには客席より盛大な拍手が貰えると云う一連の流れ。
予定調和も無し、素晴らしい芸ですね!
権力が別角度からの視点を獲得し、バランスを保つ為に、笑いと云うものは非常に有効な手段と思えます。
ちなみにその時僕事、自らのワードローブの中では最もシックな成りをしていた為、クラウンが近付いた折「まさか舞台に連れて行かれはしまいか」等とドキドキしましたが、素通りでした。
ジーンズを穿いていたのも一つの要因かも知れません。(中野)
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